お酒を減らす方法:飲みすぎを防ぐ「今夜の上限」の決め方(純アルコール20gの目安つき)

お酒を減らす方法でいちばん基本になるのは、飲む前に「今夜はここまで」と量を決めることです。厚生労働省のガイドラインも、あらかじめ量を決めて飲むことが飲み方の改善につながるとしています。量は杯数ではなく純アルコール(g)で数えると、ビールもハイボールも日本酒も同じものさしで比べられます。

要点

  • 純アルコール量(g)= 量(ml)× 度数(%)÷ 100 × 0.8。ビール500ml(5%)で20gです。
  • 1ドリンク=純アルコール10g。ビール500mlは2.0ドリンクです。
  • 厚労省は、1日あたり男性40g以上・女性20g以上を「生活習慣病のリスクを高める量」としています。少ないほどリスクは少ないとされています。
  • 上限を決める、食事と一緒に飲む、水を挟む、飲まない日をつくる。この4つが基本です。

アルコールの適量は1日どのくらい?

厚生労働省の「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」は、「適量」という言い方はしていません。示しているのは、1日あたりの純アルコールが男性40g以上、女性20g以上だと生活習慣病のリスクを高める、という量です。そのうえで、これは一人ひとりが飲んでよい量ではないこと、飲む量が少ないほどリスクが少ないという報告があることも書かれています[1]。

女性は男性より体内の水分量が少なく、分解できるアルコール量も少ないため、少ない量でも影響を受けやすいとされています。高齢の人も、同じ量で酔いやすくなるとされています[1]。

純アルコール量の計算方法

純アルコール量(g)= 量(ml)× 度数(%)÷ 100 × 0.8

0.8はアルコールの比重です。ビール500ml(5%)なら、500 × 0.05 × 0.8 = 20g になります[1]。日本では、この量を「ドリンク」(1ドリンク=純アルコール10g)で表す方法が提案され、使われています[2]。

純アルコール20gはどのくらい?お酒別のドリンク表

お酒別の純アルコール量(1ドリンク=10g)
お酒量・度数純アルコールドリンク
ビール ロング缶・中びん500ml・5%20g2.0
ビール 缶350ml・5%14g1.4
生ビール 中350ml・5%14g1.4
ハイボール・チューハイ 缶350ml・7%19.6g2.0
ストロング系 缶350ml・9%25.2g2.5
日本酒 1合180ml・15%21.6g2.2
ワイン 1杯120ml・12%11.5g1.2
焼酎 水割り200ml・10%16g1.6

量と度数は一般的な例で、休肝ロックの初期設定と同じです。お店の生中やグラスの大きさ、缶の度数は商品によって違うので、ラベルの度数で計算してください。

ハイボールやチューハイ350ml(7%)は、ほぼ20gです。ストロング系の9%なら1缶で約25gで、女性の20gを1缶で超えます。2缶なら約50gで、男性の40gも超えます。ガイドラインでは、1日20g程度(週150g)以上を続けると大腸がんの可能性が上がるという研究も紹介されています[1]。

「今夜の上限」の決め方

  1. 今の量を数える。まず1週間、飲んだものをそのまま記録して、1晩のドリンク数を出します。
  2. 上限をドリンクで決める。今より少ない数にします。たとえば普段4ドリンクなら、まず3ドリンクに。男性40g(4ドリンク)・女性20g(2ドリンク)はリスクを高める量とされているので、上限はそれより少なくしておくのがガイドラインの考え方に沿っています。
  3. 超えそうなときの行動を先に決める。「上限に来たらノンアルコールにする」「水を1杯挟む」など、迷わないように決めておきます。
今夜の画面。1.4/3.0ドリンクのリングと「あと1.6ドリンク」の表示、「1杯 記録する」ボタン。
今夜の画面。上限3.0ドリンクのうち1.4を飲んだところで、残りが出ています。(画面は表示例です)

飲みすぎを防ぐコツ

ガイドラインは、量を決めることのほかに次の飲み方を挙げています[1]。

  • 飲む前や飲みながら食事をとる(血中のアルコール濃度が上がりにくくなる)
  • 合間に水や炭酸水を飲む、薄めて飲む、少しずつ飲む
  • 1週間のうちに、飲まない日を設ける(休肝日の効果はいつから?)
  • 不安や眠れないことを紛らわすために飲まない

飲みすぎた当日・翌日の注意

二日酔いのしくみは、まだよく分かっていないとされています[3]。この記事では治し方はすすめません。気をつけたいのは次の点です。

  • 飲酒中や飲んだあとの運動や入浴は、体に負担がかかるので避ける[1]
  • 1時間に分解できるアルコールは「体重×0.1g程度」とされますが、これより遅い人も多いとされています[4]。翌朝も運転は慎重に考えてください
  • 呼びかけに反応しない、吐いて呼吸がおかしいなどのときは、急性アルコール中毒のおそれがあります。迷わず119番に連絡してください

休肝ロックの仕組み

このアプリは、開発者の私が「今夜の上限」を自分で守るために作りました。ビール、ハイボール、日本酒などを1タップで記録すると、上の表と同じ計算(量 × 度数 × 0.8 ÷ 10)でドリンク数が足されます。記録が今夜の予算を超えると、えらんだ出前・通販・動画アプリがその場でロックされ、朝5時に解除されます。1日の区切りは朝5時なので、夜中の1杯も「昨夜」の分です。

よくある質問

お酒を減らすコツで、いちばん効くのは何ですか?

ガイドラインが最初に挙げているのは、自分の飲酒の状況を知ることと、あらかじめ量を決めて飲むことです[1]。記録して数えるところから始めるのが確実です。

純アルコール20gを毎日飲むのは多いですか?

毎日なら1週間で140gです。ガイドラインは毎日飲み続けることを避けるよう書いており、少ないほどリスクは少ないとされています[1]。飲まない日をつくって週の合計を減らしましょう。

自分では減らせないと感じたら?

かかりつけ医や、地域の保健所・精神保健福祉センターに相談できます。減酒を手伝ってくれる外来もあります。

この記事は医療行為の代わりにはなりません。お酒を減らそうとしても減らせない、健康診断で数値を指摘された、薬を飲んでいる、という場合は医師に相談してください。

参考にした資料

  1. 健康に配慮した飲酒に関するガイドライン(厚生労働省、2024年2月)
  2. 飲酒量の単位(e-ヘルスネット、厚生労働省)
  3. 二日酔いのメカニズム(e-ヘルスネット、厚生労働省)
  4. アルコールの吸収と分解(e-ヘルスネット、厚生労働省)